「ホットミルクを寝る前に飲むとよく眠れる」という説はよく知られていますが、なぜなのでしょうか?
寝る前に飲むとよい理由、そもそも本当に睡眠によいのかなど、睡眠とホットミルクの関係、ミルクの優れた栄養成分や期待できる効果について解説します。
なぜ、眠れないときにホットミルクがよいのか?
「眠れない時にはホットミルク」は、本当でしょうか?実際のところ、これについては諸説ありますが、ホットミルクにはよい眠りに必要な条件や質のよい眠りを得るために必要な栄養成分が含まれています。
そのため、ホットミルクには安眠効果が期待できるといってよいでしょう。具体的には、次の4つの理由が挙げられます。
理由1:睡眠ホルモンの原料が含まれている
質のよい睡眠に欠かせないのが、メラトニンという睡眠ホルモン。メラトニンは、セロトニンという睡眠物質から作られており、ミルクにはこのセロトニンの原料となるトリプトファンが含まれています。
このトリプトファンというアミノ酸は、私たちの体内ではつくり出すことができないので、食べ物や飲み物から摂取することが不可欠。
トリプトファンを含むたくさんの食品の中でも、ミルクは消化吸収に優れているため、寝る前におすすめなのです。
理由2:リラックス&鎮静作用がある
ミルクの豊富な栄養素といえば、カルシウムです。カルシウムには、交感神経を抑えて副交感神経を優位にさせ、精神を安定させリラックスする働きが期待できます。
また、ミルクのたんぱく質が分解されてできるオピオイドペプチドという成分にも、鎮静作用があるともいわれます。こうした栄養成分が、眠るために最適な心身の状態をつくるサポートをしてくれるのです。
理由3:よい眠りのためには水分補給が欠かせない
そもそも、睡眠の質を高めるには、眠る前に水分補給することが大切です。睡眠中は想像以上に水分が失われているので、朝起きたときにはかなりの脱水症状になっていることも。水分が足りないと発汗されにくくなり体温調節がうまくいかず、眠りの質が悪くなってしまうのです。
冷たい飲み物では身体が冷えてしまうため、ホットミルクは就寝前の水分補給としても適しています。
理由4:身体を温めるとよい眠りに導く
温かい飲み物を飲むと副交感神経が優位になり、身体がリラックスした状態になるので眠りやすくなります。ホットミルクの人肌程度の心地よい温かさは、自然と気持ちを落ち着けてくれます。さらに温めることで乳糖が甘く感じられ、よりリラックスモードにしてくれるのです。
飲むタイミングや量も大事
眠る前といっても、寝る直前すぎるのはNG。体温が上がった状態のため、かえって寝付きにくくなることもあります。
私たちは体温が下がっていくときに眠気を感じるため、少なくとも寝る1時間前には飲むようにするのがベスト。タイミングを合わせて、より安眠へと導いてあげましょう。
また、量をたくさん飲みすぎると、胃腸に負担がかかってしまいます。お腹いっぱいにならない程度の適度な量を心がけてください。
ホットミルクでリラックスしてよい眠りを
日々の健康と日中のパフォーマンスを支えるのは、質のよい睡眠です。ホットミルクで身体を温め、気持ちもリラックスした状態で眠りにつくことを習慣にしてみましょう。
【あわせて読みたい】眠りの質が「骨の健康」にも関係する!?