血圧を下げる方法は塩分を控えるだけじゃない!実践したい対策と対処法

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日々の健康維持に欠かせない、大切なバロメーターのひとつが血圧。年齢と共に気になってきたという人も多いのではないでしょうか。日本人の約3人に1人が高血圧ともいわれており、今は大丈夫…であっても、決して他人事ではありません。

血圧を下げる方法として、真っ先に思い浮かぶのは「塩分を減らす」ことでしょう。ですが、実はそれ以外にもさまざまな方法があります。そこでこの記事では、血圧を下げるために実践したい習慣と対処法について解説します。

「血圧が上がる」とは?

そもそも血圧とは、心臓から血液を全身に送り出す際に血管の内側にかかる圧力のことをいいます。この圧力が高い=血圧が高い状態となります。

血圧は1日の中で上がったり下がったりしており、日常生活では急にしゃがむ、排尿・排便、入浴などの際に上がりやすくなります。一時的に高くなっても通常はすぐに正常値に戻りますが、高血圧が慢性化すると高いまま正常値に戻らなくなってしまうのです。

数値としては、家庭血圧で135/85mmHg以上、診療室血圧で140/90mmHg以上。家庭の方がリラックスしていて数値が低く出るため、基準も低く設定されています。

血圧が高くなる原因は「塩分過多」だけではない!

血圧が高くなる原因は、いくつかあります。中でもよくいわれるのが、塩分の摂り過ぎです。食文化の特徴から、日本人の高血圧に最も影響が大きいとされているのは事実。塩分濃度が高くなると、適切な濃度に保とうと身体の中の水分や血液の量が増え、尿や汗となって排出されていきます。それに腎臓の機能が追い付かなくなると、血圧が高くなってしまうのです。

ただし、それだけではありません。生まれ持った体質といった遺伝的な要因、加齢によっても自然と血圧は上がりやすくなります。若い頃はしなやかだった血管が徐々に硬くなり、圧力を受け止めるクッション性がなくなってしまうためです。さらに血圧は、自律神経やホルモンによって調整されているので、食生活の乱れ、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなども高血圧に影響します。また運動不足だと、余計な塩分が排出されずに溜め込んでしまうため、血圧が上がってしまいます。

そして実は、カルシウム不足も高血圧の原因であることがわかっています。カルシウムが不足すると、骨に貯蔵されているカルシウムが血中に溶け出します。そうして血中に増えすぎて余ったのせいで、動脈硬化が進んでしまって、高血圧を引き起こしてしまうのです。

血圧を下げるために取り入れたい食品は?

日々の生活でできる高血圧対策、対処法のひとつが食事です。以下の栄養素を含む食品は、日々積極的に摂っていきましょう。

【食物繊維】
塩分を排出する働きがある
[きのこ類/アボカド/ごぼう/干し柿/ひじき/ライ麦粉など]

【カリウム】
腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります。
[切り干し大根/ほうれん草/ニンジン/小松菜/ブロッコリーなど]

【カルシウム】
血圧を安定させる働きがあります。特に、牛乳や乳製品はより吸収率が高いのでおすすめです。
[牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ、イワシ、干しエビ、豆腐(生揚げ、木綿)、チンゲンサイなど]

血圧のケアには、筋力アップ&運動も欠かせない

さらに継続的に習慣化したい対策は「運動」です。筋肉を使うと、血圧を下げる物質の分泌が増加します。また、運動して汗をかくと余計な水分や塩分が排出されるため、血圧低下の手助けにもなります。理想は、筋力をアップさせる筋トレやストレッチと、ウォーキングや水泳といった有酸素運動の両方を組み合わせることです。

ただし、運動する際は骨への影響も一緒に考えることも重要です。なぜなら、汗をかくとカルシウムやミネラルも一緒に流れてしまうためです。高血圧対策、丈夫な骨づくり、いずれについても運動後の栄養補給、そしてカルシウムの摂取もお忘れなく。

血圧が気になってきたら、まず生活改善。タバコやお酒は控える、ストレスを溜めないようにする、そして食事や運動など自分でできる予防策を実践して、安定した数値を目指していきましょう。

監修:大場 啓一郎(おおば けいいちろう)

医療法人社団若葉堂 大場内科クリニック 理事長・院長。医学博士。

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文責:島田 みゆ(しまだ みゆ)

文責:島田 みゆ(しまだ みゆ)

社会人教育関連の会社で約10年、ビジネススキル系講座の企画編集開発を担当。企業が抱える課題や家族の病気と向き合うなかで、心と身体の健康の重要性を強く感じ、プライベートではヨガ講師に。現在はフリーのライター・編集者として、食や健康、ヨガ、旅に関するテーマの取材&インタビュー、執筆を中心に活動している。

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