「更年期が近くなって太りやすくなった」「更年期になったら脂肪がつきやすくなった」と感じる女性は多いもの。その理由には、「基礎代謝」と「女性ホルモン」が大きく関係しています。どんなメカニズムで太りやすくなり、脂肪がつきやすくなるのか、また取り入れたい対策について解説します。
更年期になぜ太りやすくなるのか?
更年期とは、閉経前後5~10年ほどの期間のことで、心身ともにさまざまな変化が起きてきます。
中でも大きな悩みの種が更年期太り。これまでと変わらない食事や生活をしているのに、二の腕やお腹、背中に脂肪がつく、太りやすくなったという感じる人が多くいます。
その主な原因としてあげられるのが、「基礎代謝の低下」と「女性ホルモンの低下」。この2つの働きが更年期太りに大きく関係しているのです。
原因①基礎代謝の低下
更年期太りの原因のひとつは、基礎代謝の低下です。
基礎代謝とは、心臓を動かす、呼吸をするなど、人間が生きていくうえで最低限必要な代謝のことで、それによって消費されるエネルギーが基礎代謝量です。
この基礎代謝量は、一般的に10~20代など若い方が高く、年齢とともに減っていきます。加齢によって筋肉量が自然に減っていき、さらに若い頃に比べると活動量自体が減っていくため、いつのまにか少しずつ消費カロリーが少なくなっているのです。
それに伴って基礎代謝量も減少していくため、今までと同じ生活をしていても太りやすくなってしまうというわけです。
原因②女性ホルモンの低下
更年期には、女性ホルモンの低下が体調や体型の変化に大きく影響します。
具体的には、次のような働きです。
・脂肪が燃焼しづらくなる
女性ホルモンのエストロゲンは、脂質代謝を助けるホルモンのひとつで、脂肪の燃焼を促進する働きがあります。更年期になるとエストロゲンの分泌が少なくなるため、脂肪が分解しづらくなり、逆に蓄えやすくなります。それによって、自然と脂肪がつきやすくなるのです。
・ホルモンバランスの変化で内臓脂肪がつきやすくなる
女性は本来、男性に比べて皮下脂肪の割合が多いという特徴があります。更年期に女性ホルモンが少なくなると、その分、男性ホルモンが上昇します。男性ホルモンは内臓脂肪を溜めやすい働きがあるため、更年期には内臓脂肪も溜めやすい体質になるのです。「今までなかったところに脂肪がつき始めた」と感じるのは、こうした変化が要因だと考えられます。
・自律神経が乱れて、食欲が増加する
自律神経は女性ホルモンの影響を受けやすいため、それまでのホルモンバランスが崩れることで乱れやすくなるのです。するとイライラしたり、気分が落ち込んだり、精神的なストレスを感じるようになります。また、満腹中枢を刺激して食欲を押さえるホルモンもバランスを崩し、食欲が過剰になったり、過食に走ったりしてしまい、いつも以上に食べてしまうことがあるのです。
更年期太りに取り入れたい対策
対策①代謝を上げて脂肪を燃焼する
積極的に脂肪を燃焼させるためには、減った筋肉量・活動量を補うための定期的な運動が一番です。特に激しい運動をするのではなく、ウォーキング程度の軽い全身運動を継続することが大切。
また、ストレッチも取り入れたい習慣です。かたまった筋肉をほぐして可動域を広げると、動きが大きくなり基礎代謝も上がります。自律神経のバランスを整え、血流促進の効果も期待できますよ。
さらに湯船にしっかり入り、体温を上げて血行を良くする、気持ちをリラックスモードに切り替えることも脂肪燃焼に効果的です。
対策②脂肪燃焼を助ける栄養を摂る
筋肉や臓器など身体のもととなるたんぱく質を摂るのは基本です。たんぱく質を多く摂れる食品は、肉類、魚、大豆製品、乳製品が主なものです。また、生姜、唐辛子といった身体を温める食材を摂ると、脂肪が燃えやすくなります。
減ってしまった女性ホルモンを補填するには、エストロゲンと近い働きをするイソフラボンを含む大豆製品がおすすめです。
さらに脂肪吸収を抑制する乳酸菌も注目されており、例えば「ガセリ菌SP株」もその1つです。
乳製品や食物繊維なども、腸内環境を整え脂肪燃焼しやすくなるため、積極的に摂りたい食品です。
身体が変化しやすい更年期は、対策が重要
更年期の身体の変化は必ず起こるものです。今までと同じ、何もしないままでは、太りやすくなるのも避けられません。だからこそ、できるだけ変わらないように、その年代、タイミングにあった日々の対策を継続的に取り入れて、太りにくい身体づくりを目指していきましょう。
▼コチラの記事も読まれています