季節の変わり目や寒い時期は、急に体調を崩したり風邪をひいたりしてしまいがち。そんな時に備えて、日頃から免疫力を高めて健康な身体を作っていきたいものです。とは言え、そもそも免疫とはどんなもので、免疫力を上げるとはどういうことなのか、実際のところあまりわかっていない…という人も多いのではないでしょうか?
本記事では、免疫の基礎知識と免疫力を上げるための5つの習慣を解説します。
そもそも、免疫とはどんなもの?
免疫とは、ウィルスや細菌、病原体など、身体にとって異物となるものを排除して守る働きをする機能のこと。免疫には大きく分けて、もともと備わっている「自己免疫」と、生まれてから予防接種を受けたり感染したりして備わった「獲得免疫」があります。さまざまな有害物質がある日常の環境下でも病気を発症せずに過ごしていけるのは、こうした免疫細胞が働いてくれているおかげ。免疫の力=防御システムが低くなると、風邪をひいたり感染症にかかりやすくなったりするというわけです。
実は、医学的には「免疫力」という言葉や、免疫の高低を測る検査や指標はありません。ですが、免疫細胞をしっかり働かせ維持させることが”免疫力を上げる”ことであり、身体を守る力を強くすることにつながるのです。
免疫力を上げるために必要なこととは?
免疫力には個人差があり年齢と共に自然に下がっていきますが、年齢問わず生活習慣の乱れは免疫力を下げる大きな原因の一つです。そのため免疫力を上げるには、規則正しい生活をし、しっかり栄養を摂り、身体を動かして十分な休養を取り、ストレスを溜めないこと。簡単なようですが、自信を持って「出来ています!」と言える人はあまりいないでしょう。ごく当たり前の基本的な生活こそが、免疫力を高めるためには欠かせません。
免疫アップ5つの習慣
そこで、今すぐ実践したいのが、以下の免疫力を上げる5つの習慣です。
①起床・就寝・食事は同じ時間に
人間には体内時計があり、臓器の働き、自律神経の調整、ホルモンの分泌など1日の生体リズムをコントロールしています。起床、就寝、食事の時間がバラバラな生活を繰り返していると、体内時計が乱れて免疫機能が低下してしまいます。
まずは、朝起きたら明るい太陽の光を浴びましょう。朝日を浴びることで体内時計がリセットされます。また、内臓機能をうまく働かせるためにも、食事もできるだけ同じ時間に取るのがおすすめです。
②栄養バランスの良い食事を摂る
食事は、摂る時間だけでなく質も大切。バランスの良い食事は、免疫はもちろん健康な身体づくりの基礎になります。特に、免疫細胞のもととなるたんぱく質や、腸内環境を整える乳製品や発酵食品などは積極的に摂るのがおすすめ。腸には免疫細胞が多く集まっているので、腸内細菌のバランスを整えることで免疫力アップにつながります。
③適度に活動して、しっかり休む・眠る
適度に身体を動かすと体温が上がって血流が良くなり、免疫機能も上がります。ただ、激しい運動はストレスとなり、逆効果になることも。自分が気持ちよく、楽しめる程度に身体を動かすことがポイントです。動いたらしっかり休養・睡眠を取ることもセットにしましょう。睡眠は細胞を修復する大切な時間でもあり、十分な睡眠は免疫力を高めてくれます。
④身体を温める
平熱より1℃下がると免疫細胞の働きが約30%低下すると言われるほど、免疫にとって温めることは大切です。体温が上がって血流が良くなると、免疫機能をもった白血球が全身にめぐりしっかり働いてくれます。身体を温めるために、筋肉を動かす、お風呂に入る、温める食材を摂るといった工夫を取り入れるようにしましょう。
⑤たくさん笑う
笑うことで、免疫をコントロールしている脳の間脳(かんのう)に興奮が伝わり、情報伝達物質が大量に生産されます。それによって免疫に関わるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化して異物を攻撃してくれ、免疫力が高まるのです。また、単純に笑うと表情筋を使ったり呼吸が深くなるため血流が良くなったり、自律神経のバランスが整うといった効果も期待できます。
毎日の習慣の積み重ねが免疫を高める
免疫力を高めるには、何か特別なことをするのではなく普段の生活習慣が大事。免疫力を低下させる要因があれば少しでも排除して、免疫にとって良いことを日々積み重ねて実践していくことが近道です。