身体によい油を選ぼう!おすすめの食用油と使い方のポイント

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健康志向の高まりによって、食用油の「質」にこだわる人が増えています。
スーパーでも様々な種類の油が並び、サプリメントのように毎日の摂取を推奨する「プレミアムオイル」も登場。
どうせなら身体によい油を摂りたいけれど、たくさんあり過ぎて迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、食用油の選び方や使い方のポイントを解説します。

油の性質は「脂肪酸」の種類で決まる!

炒め物や揚げ物にはキャノーラ油、中華料理にはごま油、パスタやサラダにはオリーブオイル…というように使い分けている人は多いでしょう。これらはいずれも原料となる植物名による分類です。

一方、食用油のパッケージに書いてある「オメガ3」「オレイン酸」「MCT」などの文字は、油の主成分である「脂肪酸」の種類を表しています。身体によい油かどうかは、この脂肪酸の種類によって決まるといっても過言ではありません。

脂肪酸は大きく分けて、動物性の脂肪に多い「飽和脂肪酸」と、植物や魚の油に多い「不飽和脂肪酸」に分けられます。「オメガ」というのは、脂肪酸の特徴を表す記号のようなもので、不飽和脂肪酸の分類を表します。

不飽和脂肪酸には、オメガ9系の「オレイン酸」、オメガ3系の「α-リノレン酸」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「IPA(イコサペンタエン酸)」、オメガ6系の「リノール酸」などがあります。
また、「MCT」は「中鎖脂肪酸」のことで、飽和脂肪酸に分類されます。

オメガ3は積極的に、オメガ6は控えめに

一般的に、飽和脂肪酸は控えたほうが良いといわれていますが、動物性食品には良質なたんぱく質が含まれるため、減らし過ぎるのも良くありません。また、MCTは飽和脂肪酸ですが、エネルギーとして消費されやすく、身体によい油の代表格とされています。

一方、不飽和脂肪酸は細胞膜の柔らかさを保つ重要な成分です。特にオメガ3とオメガ6は体内で十分な量を合成できないため、食事から摂る必要があります。しかも、オメガ3は免疫反応のブレーキ役、オメガ6はアクセル役という、反対の役割をするため、バランス良く摂ることが重要です。

オメガ3はエゴマ油やアマニ油、魚の油に多く含まれます。オメガ6はほとんどの植物油脂に含まれ、中でもベニバナ油(ハイリノール)、グレープシードオイル、大豆油、コーン油、ごま油、綿実油、ひまわり油(ハイリノール)に多く含まれます。

さらに、パンや菓子類、麺、惣菜、調味料などの加工食品には、たいてい植物油脂が使われており、知らず知らずのうちにオメガ6を摂り過ぎている人が多いとされています。オメガ3とオメガ6をバランスよく摂るには、アマニ油やエゴマ油を積極的に摂り、植物油脂を含む加工食品をできるだけ減らすことが大切です。

食生活にプラスしたい食用油5選

①エゴマ油

「えごま」というシソの仲間の種子から採れる油で、オメガ3のα-リノレン酸を約60%含有。
オメガ3は血管を若々しく保ち、生活習慣病の予防に役立つとされています。さらに、尿酸値を下げるといわれる「ルテオリン」や、アレルギーを抑える「ロスマリン酸」などの成分も含まれています。

味は少し「えぐみ」があり、「魚臭い」と感じる人もいるようですが、熱に弱いため、納豆やキムチ、みそ汁などに「かけて摂る」のがおすすめ。
開封後は冷蔵保存し、1ヵ月以内に使い切りましょう。

②アマニ油

エゴマ油同様、α-リノレン酸が多く、55~60%程度含みます。
原料は「亜麻」という植物の種子で、オメガ9のオレイン酸も約20%含有。オレイン酸は悪玉コレステロールを下げる働きがあるとされています。

エゴマ油よりも味に「クセ」があるといわれますが、こちらも非加熱摂取、冷蔵保存が基本です。
また、女性ホルモンを整える作用がある「リグナン」という成分を含むため、更年期症状の緩和や美容への効果も期待できるでしょう。

③オリーブオイル

主成分はオレイン酸で、約70~80%を占めます。オレイン酸は熱や酸化に強いため、パスタやサラダにかけるだけでなく、炒め物や揚げ物にもおすすめです。

オリーブオイルは「バージンオイル」と「ピュアオイル」に大別され、前者はオリーブの果実を搾ってろ過しただけ、後者は精製したオイルにバージンオイルがブレンドされています。高品質なエキストラバージンオイルは、良い香りがするだけでなく、抗酸化成分が豊富です。

④マカダミアナッツオイル

オレイン酸を約60%、パルミトレイン酸を約20%含有。近年、オメガ7のパルミトレイン酸が糖尿病の予防や中性脂肪の減少に役立つことで注目されています。

ナッツのほのかな甘味と香りが特徴で、牛乳やヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品と相性抜群。
常温で保存でき、加熱調理も可能です。

⑤MCTオイル

一般的な食用油に比べて、エネルギーになりやすい「中鎖脂肪酸」だけで構成されているオイルのこと。中鎖脂肪酸はココナッツの果実やパームの種子から採取されます。

BMIが高めの人の体脂肪や内臓脂肪を減らす効果が報告されており、ダイエットのサポートとして人気。
味も香りもほとんどないので、飲み物に混ぜたりして摂りやすいです。
常温で保存できますが、加熱調理には向いていません。

まとめ

身体によい油でも、摂り過ぎるとカロリーオーバーになります。オメガ3脂肪酸は1日2g程度の摂取が目安とされているので、エゴマ油なら小さじ1杯くらいで十分。MCTオイルをダイエットに活用するなら、1日20~30gをこまめに摂りつつ、運動することが大切です。

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文責:上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

文責:上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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