免疫力を高めるために大きなカギとなるのが食事。日頃の食事を意識することが、健やかな身体づくりの土台になります。では、具体的にどんなものが免疫にとって良い栄養となるのでしょうか?本記事では、免疫力アップにつながるおすすめの食べ物、栄養素について解説します。
「免疫力を上げる」食事とはどんなもの?
免疫力を上げる方法はいくつかありますが、中でも食事は特に重要です。なぜなら、免疫細胞を作るためにも、免疫機能を高めるためにも、そのもととなる栄養素が必要だからです。また、免疫には腸の健康が大きく関わっているため、食事で腸内環境を整えることも欠かせません。
免疫力を上げるための食事とは、免疫細胞のもとになる栄養素や免疫機能を活性化させる成分など「免疫に良い影響をもたらす栄養素を摂る」ということになります。
免疫力に必要な栄養素はコレ!
免疫に良い影響をもたらす=免疫力を高める栄養素は、主に4つ。
免疫細胞を作るもの
免疫細胞をつくるのは、たんぱく質です。骨や筋肉、血液、皮膚などはもちろん、免疫細胞のもとでもあります。不足すると皮膚や粘膜が弱くなり、免疫力が下がってしまいます。
免疫機能を高めるもの
免疫機能を高めてくれるのがビタミン類やミネラル類。中でも、カルシウムの吸収を促すビタミンDは、免疫機能の調整にも役立つ栄養素です。
腸内環境を整えるもの
免疫細胞の約70%は腸にあると言われるほど、免疫力と腸には密接な関わりがあります。人の腸内には「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」という3種類の細菌があり、これらが2:7:1の割合が理想的なバランスだとされています。善玉菌を優位な状態にして腸内にあるさまざまな菌をバランスよく働かせ、腸内環境を良好な状態にしておくことが免疫力を高めることにつながるのです。
身体を温めるもの
体温が上がると血流の流れが良くなり、免疫細胞である白血球の働きが活性化されて高まっていきます。体温が1℃上がると免疫力は最大5倍~6倍も上がるとも言われるほど。身体を温めるショウガや香辛料などを摂取することで、内側から温めていくことができます。
免疫力を上げる食べ物10選
① 肉、魚
たんぱく質と言えば、肉や魚です。免疫細胞をつくり、機能を維持するために必要な材料となります。
②乳製品
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品には、腸内環境を整える働きが期待できます。腸内環境を整える善玉菌にはビフィズス菌や乳酸菌。また、腸の中でも特に多くの免疫細胞が集まっている小腸に働きかけるのが、ガセリ菌です。さらに善玉菌のエサとなるものには、オリゴ糖や食物繊維があります。
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③緑黄色野菜
厚生労働省では、「可食部100g当たり、カロテンが600µg(マイクログラム)以上含まれている野菜」を緑黄色野菜と定義しています。カロテンはビタミンAの一種で、ビタミンAは喉や鼻などの粘膜を丈夫にする働きがあります。また、それ以外のビタミン、カルシウムやカリウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。
④果物
果物も、緑黄色野菜同様にビタミンやミネラルが豊富なので、免疫機能を調整してくれます。
⑤きのこ
きのこに含まれるβ-グルカンには、免疫力を活性化させる働きや菌やウィルスから守る力を高める働きがあります。食物繊維は腸内環境を、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれるので、骨の健康にもおすすめです。
⑥海藻類
海藻に含まれる良質な食物繊維が腸内環境を良くしてくれます。
⑦発酵食品
納豆、味噌、キムチなどの発酵食品に含まれる乳酸菌には、腸内環境を整える作用が期待できます。
⑧玄米・発芽米・雑穀米
白米に比べ、玄米は食物繊維が多く、ミネラルやビタミンが多く含まれています。発芽米、雑穀米でも良いでしょう。
⑨緑茶・赤ワイン・カカオ
緑茶、赤ワイン、カカオなどの抗酸化用のある食材は、免疫機能の低下を抑えてくれる効果が期待できます。
⑩根菜、スパイス
土の中で育つ根菜類は身体を温める効果があるといわれています。また唐辛子、ショウガ、ニンニク、カルダモンなどのスパイスは、血行を良くして身体を温めてくれます。
栄養+食べ方も大切
免疫力を上げるには、こうした栄養素をただ摂るだけでなく食べ方も大切です。
- どれか一つの食材や栄養素に偏らずにバランスよく摂る
- ゆっくり噛んで食べる
- 限定的ではなく、毎日継続して摂りつづける
毎日の食事が免疫力アップにつながるように、栄養素も食べ方も少し意識していきましょう。
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