最近疲れやすい、朝起きるのがつらい、立ちくらみがするといった悩みはありませんか?もしかするとその原因は、鉄分不足による「貧血」かもしれません。
また特に症状がなくても、実は「かくれ貧血」という女性も少なくありません。鉄は人の体内ではつくられないため、食事からの摂取が不可欠。
そこで今回は、貧血に良い食材や、より効果的に鉄分を摂取して、予防や改善につなげる方法について解説していきます。
女性の大敵!「貧血」はなぜ起こる?
そもそも「貧血」とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが減り、身体に十分な酸素量が届けられなくなった状態のこと。ヘモグロビンは血流に乗って酸素を運ぶ働きをしているので、減ってしまうと体中に酸素が回らなくなります。それによってめまいや倦怠感といった、いわゆる貧血症状が出てしまうのです。
貧血にはいくつかタイプがあり、もっとも多いといわれているのが「鉄欠乏性貧血」。ヘモグロビンの材料となる鉄分の摂取量が少ない、出血によって体外に出てしまうなど、鉄が足りないため貧血症状が出る状態です。
ただでさえ、女性は男性に比べて体内に蓄えられている鉄分が少なく、加えて、月経や妊娠・出産、更年期の生理不順などで鉄分が失われる機会が多くあります。そのため、貧血になりやすいのです。
貧血の予防・改善で摂りたい栄養はコレ
貧血の予防、改善に必要な鉄は、人の体内でつくることはできません。そのため、鉄を多く含む食品の摂取が不可欠となります。さらに、鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」という2つの種類があり、それぞれに特徴があります。違いを知って、効率よく取り入れていきましょう。
【ヘム鉄】
肉や魚など主に動物性食品に含まれる(卵黄除く)。そのまま吸収されるため、非ヘム鉄に比べて吸収率が高い(約10~20% ※食品による)
例:レバー/鰹(カツオ)や鮪(マグロ)など赤身の魚/しじみなど
【非ヘム鉄】
野菜や穀類など主に植物性食品に含まれる。そのままでは吸収されず一度体内で変化するため、吸収率が低い。(約2~5% ※食品による)
例:豆乳/大豆/小松菜/ひじき/卵黄/プルーンなど
鉄分の吸収を妨げやすいといわれる食べもの
鉄分を摂る際は、食べ合わせが大切。同時に摂取することで、せっかくの鉄の吸収を妨げてしまう食品(成分)があります。例えば、コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインに含まれるタンニン。スナック菓子や加工食品、清涼飲料水に含まれる食品添加物のリン酸塩、カルシウムを多く含む食品などは、非ヘム鉄の吸収を阻害します。
玄米やおからなどに含まれる不溶性食物繊維は、鉄分を一緒に体外に排出させてしまいます。
ただし、これらの食品(成分)もそれぞれ身体に大切な栄養を含んでいます。そのため、食べ合わせとタイミングを工夫して効率よく取り入れましょう。ヘム鉄の食品は、他の食品の影響を受けづらいとされています。
また、非ヘム鉄の食品でも、同時に摂取するのではなく、2時間程度あければ影響を受けづらくなります。できるだけ食間に摂るのがおすすめです。
貧血に良い栄養を効率的に取り入れる工夫とは
そのままでは吸収しづらい鉄。調理器具や他の食品の栄養素の助けを借りて、効率的に吸収する方法を取り入れていくのもおすすめです。
- 鉄のフライパンや鉄鍋など鉄製品の調理器具を使う:調理段階で少しずつ溶け出して、鉄分を補うことができます
- ビタミンCを一緒に摂る:非ヘム鉄の吸収を助ける役割があります。緑黄色野菜や果物を一緒にとって吸収率をアップさせましょう
- たんぱく質をしっかり摂る:鉄分同様、たんぱく質もヘモグロビンの材料となります
まとめ
女性は身体の仕組み上、多くの鉄分が必要です。鉄不足を補う食品を積極的に選び、しっかり吸収されるよう食べ方にも工夫しましょう。
また貧血といっても単なる鉄不足が原因ではなく、婦人科系疾患や消化器系の疾患が隠れていることもあります。「しっかり鉄分を摂るようにしているのに、気になる症状が改善しない」という場合は、別の原因も考えられるので、必ず医師の診断を受けるようにしてください。
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